
Apple社からApple 16 pro版とXiaomi社からPoco F7 Ultraが販売されている。ハイエンド製品だが価格に差がある。 Apple 16 Pro は約17万円、Poco F7 Ultraは約9万円と8万円の差だ。これはどこから来ているのか?一番調べるのは組み込まれているSoCだろう。今回はそのSoCを比較してみた。
値段と性能のバランスを考えると、どう考えてもPoc F7 Ultraに軍配が上がるが、今までApple製品を使ってきた人は、親密性、使いやすさ等を考えてApple 16 Proを選ぶかもしれない。そこで、スマホの心臓部にあたるSoCに焦点を当て比較したい。
Qualcomm Snapdragon 8 EliteとApple A18 Proは、どちらも2024年後半に発表されたハイエンドスマートフォン向けのSoC(System-on-a-Chip)であり、最新の3nmプロセスで製造されています。両チップとも優れた性能と効率性を誇りますが、いくつかの重要な違いがある。
CPU
- Snapdragon 8 Elite: QualcommのカスタムOryon CPUを搭載した8コア構成です。2つの高性能プライムコア(最大4.32GHz)と6つの高効率パフォーマンスコアで構成されており、マルチタスク性能に優れている。
- Apple A18 Pro: Appleのカスタム設計による6コアCPUを搭載している。2つの高性能コアと4つの高効率コアで構成されており、シングルコア性能で高い評価を得ている。
GPU
- Snapdragon 8 Elite: Adreno 830 GPUを搭載しており、前世代と比較して大幅な性能向上を実現している。特にゲーム性能に優れており、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングやUnreal Engine 5.3のNaniteをサポートしている。
- Apple A18 Pro: Apple設計の6コアGPUを搭載しており、高いグラフィックス処理能力を発揮する。ハードウェアレイトレーシングも高速化されている。
AI(Neural Engine)
- Snapdragon 8 Elite: Hexagon NPUを搭載し、前世代と比較してAI性能が大幅に向上している。オンデバイスAI処理に強く、より高度なカメラ機能や音声アシスタント機能などを実現。
- Apple A18 Pro: 16コアのNeural Engineを搭載し、高い機械学習性能を発揮する。
メモリ
- Snapdragon 8 Elite: LPDDR5Xメモリをサポートし、最大85.4 GB/sのメモリ帯域幅を実現する。
- Apple A18 Pro: LPDDR5Xメモリをサポートしますが、メモリ帯域幅はSnapdragon 8 Eliteよりも低いとされている。(60 GB/s)。
その他
- Snapdragon 8 Elite: Snapdragon X80 5Gモデムを内蔵し、最大10 Gbpsのダウンロード速度と3.5 Gbpsのアップロード速度をサポートする。Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0にも対応している。
- Apple A18 Pro: 5Gモデムを内蔵し、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3に対応している。
ベンチマーク
現時点でのベンチマーク結果を総合的に見ると、
- マルチコア性能: Snapdragon 8 Eliteがコア数の多さにより、Apple A18 Proを上回る傾向がある。
- シングルコア性能: Apple A18 Proが依然として高い性能を発揮する可能性がある。
- GPU性能: Snapdragon 8 Eliteが特に高いスコアを示すことが多いようだ。
- AI性能: Snapdragon 8 Eliteがより高い性能を発揮するとの報告がある。
まとめ
Qualcomm Snapdragon 8 EliteとApple A18 Proはどちらも非常に高性能なSoCですが、それぞれ強みを持つ分野が異なる。
- Snapdragon 8 Elite: マルチタスク性能、ゲーム性能、AI性能、高速な通信機能に強みがある。
- Apple A18 Pro: シングルコア性能、最適化されたソフトウェアとの連携に強みがある。
最終的にどちらのSoCが優れているかは、搭載されるデバイスの設計やソフトウェアとの最適化度合いにも大きく左右される。今後の実際のデバイスでの性能比較に注目したい。
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